中小企業の雇われ経営者の戦い方
雇われ社長歴4年弱でドロップアウトしてしまった私が書くのも説得力ないとは思いつつも、雇われ社長の良い所・悪い所、雇われ社長はどう戦っていくべきか。などをざっくりと。
これから雇われ社長で頑張っていくぜ。
という方や、
中小企業の経営者で、育ってきた社員を子会社の社長にして、グループ化してくぜ。規模拡大や。節税や。っちゅーよーなビジョンを描いている方は参考になるかも。
雇われ社長のメリット
雇われ社長のメリットを思いつく限りあげてみます。
経費、使える
言うても、最初は決裁権の範囲が激狭な場合が多いと思います。
オーナーからの信頼を得る&オーナーとの交渉で頑張る
とかまあ、そんな感じで決裁権の範囲を広げていくしかないですね。
社用車・社宅・交際費etc...、おいしいです(^^ゞ
年俸、めっちゃ上がる
社員だったら例え業績が2倍になっても、給料の上がりってちょこっとだと思います。
が、雇われ社長の場合は、経常利益が2倍なら役員報酬も2倍位は貰えると思います。オーナーの考え方次第では、もっと増えるかも。
私の場合は、500万からスタートで翌年、翌々年の年俸はほぼ倍々でした。
オーナー兼社長なら会社の金は俺の金だから役員報酬なんてただの数字って感じだと思いますが、雇われの場合はそういう訳じゃないので、役員報酬をどーやって上げてくかっちゅーところがとても大事ですね。
すごい、経験
経営者になると色々な経験が出来ます。一番のメリットはこれでしょう。
銀行からの借り入れ〜結婚式の主賓まで。
この経験によって、一言で言えば資本主義社会でのサバイバル能力が身につきます。
お金を稼ぐ考え方・能力・嗅覚、全てが身につくと言っても過言ではないかと。
私は、ドロップアウト後に半年間くらい無収入期間がありましたが、無事、家族を養うくらいは稼げるようになりました。
SEOを中心としたアフィリエイトという道を選んだのも、雇われ経営者時代の経験があってこそだと思います。
部下のことが100万倍可愛く、そして100万倍憎く見えるのも、メリットかな。
雇われ社長のデメリット
対してデメリットを挙げていきます。
あなたは、雇用者です
雇われ社長といっても、実際は雇用する側の人間です。社員やスタッフを育て守る立場です。
なので、労働基準法や失業保険とか関係ないです。
450時間働こうが、労働基準法に違反なんてしませんし、オーナーに首宣告されたところで失業手当は出ないです。
なので、退職した社員の未払い残業代の請求にビビっちゃったブラック企業の経営者が、「社員を役員にしちゃえばいいんじゃね。残業代払うより得じゃね。」といった感じで、人件費の節約っちゅー視点だけで、社員を役員に引き入れたり、子会社の社長にしたりする場合もあるわけですね。
キャッシュアウト=地獄
私はキャッシュアウトを2回経験しました。
一つは、売上が上がりすぎてキャッシュが回らなくなった。ってやつと
もう一つは、リーマン・ショック後の対策にしくじって売上が約半分に落ちたこと。
自分の年俸、未払い処理っちゅーのは当たり前。
頭を下げてお金を借りたりするのもまぁ大変ですし、社員・バイトの顔や生活がよく見える分、リストラも辛いですしね。
くっっそ病んでました。当時。
まあでも、経営者なのでこれは当たり前の事ですよね。一応デメリットとして紹介。
オーナーの性格やオーナーとの相性によって地獄化
うちのオーナーは、相当利己的な人だったので、なかなか大変でした。詳しくは申せませんが。
とりあえず、
雇われ社長に誘われている方は、
「なぜこの人は自分を社長にしたいんだろう」という部分と、
そのオーナーと交渉して、社員を守ったり、自分の決裁権を広げることが自分に出来るのか。というような事を考えておきましょう。
雇われの戦い方
さて、ここからは雇われの戦い方について。
お前に全部任せるわ。好きにやってくれ。を目指せ。
オーナーとの関係性で、理想的なのはこれですね。
絶対的信頼によって、全裁量権を任される。というやつ。
オーナーからすれば、何もしないでも会社が安定して大きくなって、配当やその他でムフフな思いが出来ればそれが一番いいわけですから、
「こいつには何も口出せねーや。出さなくてもOKだ。」
って思ってもらえることを目指しましょう。
ちょっとしたコツは下記
・数字の把握
オーナーの数字に関する質問については完璧に答えられる。ってむちゃ大事。
まあ、オーナーに質問されるから覚えておく。ってのは変なんですけども。
・数字の根拠
オーナーに見せる数字の根拠は、簡潔・明快に。
ここで突っ込まれるってことは、信頼されない。されていない。って証拠。
・オーナーの知らない業種やスキームで売上を立てる
雇われ社長の場合、オーナーや先代が作り上げたビジネススキームを引き継ぐ形が多いと思いますが、
オーナーがスキームや数字を理解していると、色々気になるわけです。
この代理店に20%取られるのおかしくね?
クレジット手数料高すぎじゃね?
人件費率高くね?
みたいに。
分からなけりゃ気にならないので、新しい売上の柱を作るなりすると、とても良いと思います。
「数字の根拠に関する質問」から「どうやってるの?って質問」に変わってくるといい感じです。
他業種展開の場合、子会社化の布石にもなります。
・俺色の会社
会社のカラーというか雰囲気ってあると思うんですけど、オーナーの作る会社の色と全然違うカラーの会社になってくると、オーナーは離れていきますね。
などなど。
株、オーナーから買っていく
オーナー:自分で50:50を目指したいですね。
普通に考えてオーナーが株を手放すって事はなかなかあり得ないので、手放しても尚自分にメリットがある形を提案しないとアカンですね。
道のりは長く険しいです。
会社作れ
これは、どーかな。オーナーの手を離れたい。って理由で法人を作るのは本末転倒なので、あくまでも今の会社にメリットがある形っちゅーのが前提。
私の場合は、オーナー50:自分50で、自社のコンテンツ運営部門を切り離して法人化しました。
自分が経営している法人の100%出資の子会社とかもアリだと思います。
まとめ
まー、結局はオーナーとの信頼関係だと思うんですね。
なので、貴方自身がオーナーのことを信頼していないなら、悩みは尽きないかと思います。
信頼されたいならまず信頼せよ。ですね。
ちなみに、私が雇われを辞めた大きな理由は、オーナーへの不信感です。